アイーダ

ミッドガルド王都とガニメデ帝国の国境にある地域を指す。M.C.882年、考古学者フェイ・デリンジャーが魔法国家ルーの遺跡から人形型兵器を発掘したが、ガニメデ帝国が所有権を主張、カレンフェルト会戦が勃発する。人形は発掘場所から”アイーダ”と呼ばれた。月の光で稼働する。

 赤レンガ街道

王都シヴァからミッドガルド王国の主要都市に伸びる、赤レンガで舗装された街道。幅は馬車2台分。王国の物流や郵便網の発展に大きく寄与し大国の維持に貢献した。

 ≪聖人≫アクシオン

神話に登場する救世主。オルドヴィス、トリアス、ジュラと共に暗黒生物がはびこる大陸東部を巡り、不思議な術で暗黒生物を撃退したとされる。

 オーディン王

ミッドガルド王国建国者。元はカレドニア王国に仕えるアウドフムラ地方の貴族。M.C.001年、圧政に苦しむ民衆のためカレドニアに反旗を翻した。

 アプサラスの鍛冶屋

王国の最大の武具生産量を誇る、クミカル湖南西のアプサラス市。その鍛冶屋は最高の腕前を持つといわれた。「ミッドガルド年代記」によると、ヒトミ・デカールはアプサラスに一時滞在し、路銀を稼ぐために王国魔法院直轄の特殊な鍛冶屋で働き、魔法工芸品の充填を行っていた。*挿絵は”名も無き画家”が残した黒髪の少女の油絵。

 ≪古代竜≫アル・ディーバ

デボン火山に住むという伝説の巨大竜。巨人山脈の碑文にしか確認出来なかったため伝説と思われていたが、M.C.887年、突如として大陸南西部に現れ、都市を襲った。

 アルスター金山

ミッドガルド王国調査団によりM.C.841年に発見されたパルルの金山。アルスター王の即位直後だったため王の名前を冠した。豊富に金が取れるため警備は厳重で、場所も政府首脳しか知らず、労働者は目隠しして送り込まれた。*挿絵は産出された金を使ったアルスター金貨。

 アルスターの反乱

アルスター元王が、M.C.888年、王位奪還のため反旗を翻した事件のこと。王国正史書では反乱軍と呼ばれた。尚、魔王軍という呼称は残虐な逸話を元に後年の歴史小説で登場し一般的になった。

 暗黒生物

正体不明の生命体。一方、マーズ湾海戦後、白亜海に無数に浮かんだゼリー状の物体を指す場合もある。また王国の機密文書によると、アルスター元王の遺体から人体に寄生する暗黒生物が確認されたという。*挿絵は小説「5人のアルスター」より出典。

 暗黒の大地

大陸の北部に広がる謎に包まれた地域。歴史上、人が住んだ記録は皆無。一日のほとんどが暗闇に包まれているという。真偽は不明ながらミッドガルド年代記に数日間の冒険記録が残っている。

 医学

M.C.1700年以前、病気への対処は体内の悪い血を抜く「瀉血≪しゃけつ≫治療」が一般的だったが、M.C.800年代の神医と呼ばれたイスア・ホープは、麻酔や臓器摘出手術、義肢作成を行ったとされる。

 ウェゲナーの博物誌

M.C.1000年代の冒険家・ウェゲナーが自身の冒険および各地の伝承や記録をまとめた博物誌。全3巻。原本は1冊で、写本が3冊ずつしか存在せず、非常に希少価値が高い。

 ヴァルハラ遺跡

バイオリア砂漠の中央に位置する、考古学者レイ・デカールによって発見された魔法国家ルーの遺跡。アルスター元王が率いる魔王反乱軍が占拠、拠点とし、王国軍を苦しめた。

 ヴァン・アレン隊

 新カレドニア王国初代国王のヴァン・アレンの部隊のこと。ヴァンは「単騎駆け(僅かな供と長距離を駆けること)」などで幾度か王国軍の戦況を好転させたため、”神出鬼没”の比喩としても用いられる。

 ≪女教皇≫ヴィクトリア

法王庁第18代教皇。政教分離を徹底した。また巨大生物の討伐隊を組織したことでも有名。ちなみに法王庁はガニメデの北部の都市イゾルテに位置し、カンブリア派の三大宗教を統括する。

 大砂蛇エル・ライ

ハイオリア砂漠に生息する巨大な蛇。蛇といっても首はなく”蛭”に近い。全身に無数の目を持つ。ミッドガルド年代記にはバルバロッサの街が襲われた際、クリミアの義勇軍が撃退したという記録がある。

 王都陥落の日

M.C.899年、連合軍により、900年の歴史を持つミッドガルド王国王都シヴァが陥落。総大将ディオールの命令で略奪は最小限に抑えられたが、女達は犯され、多くの歴史的建造物や美術品が失われた。「法王院日記」に精緻な記録がある。

 オールトの雲

数十年に一度起きる、夕日の雲が7色に染まる事象のこと。迷信の域を出ないが、不吉の予兆とされ、M.C.838年のマーズ湾海戦開始前やM.C.888年のクルセイドの祭りの前夜に複数の目撃証言が残っている。

 王母毒殺事件

39代ミッドガルド王母が毒殺された事件。ガニメデ帝国の宰相ディオールが首謀者。モドレッド王が乱心、国家予算を戦費に費やすきっかけとなった。

 おっぱい橋

ミュー市の、遊郭と市街を繋ぐ運河に架かる橋の俗称。娼婦は橋の上で自身の乳房を出し、男性を呼び込むことが法律で定められていた。ちなみに同市では”国力=人口”という方針から、同性愛も禁止されていた。

 オルドヴィス神

 半裸の美女の神。幸運を司る。大陸東部の宗教では最も人口が多いといわれる。聖地はトリアス地方のオルドヴィス神殿だが、ペネロペ市の神殿が最大の知名度と規模を持つ。

 オルドヴィスの巫女

7年に一度開催される「オルドヴィスの祭」にて、美貌・知識・精神・権威をふまえて選出された女性のこと。巫女はオルドヴィス神殿の神事を行い、幸運の女神として各地を行脚することもあった。*挿絵は著名なオルドヴィスの巫女、ディアナ。

 カーリー天球儀

 カレドニア王国の天文学者カーリーが作成した天球儀のこと。その美しさから国王の一族が代々所有していたが紛失。一説によると怪盗エステルに盗まれたという。

 妖刀・影清≪カゲキヨ≫

108の魔法工芸品のひとつでいわゆる波動剣。刀鍛冶・影清の遺作。切れ味の鋭さはもちろんだが、所持者は呪われるという伝説があり、魔法反乱軍のナガツキはそれを気に入り、あえて所有した。

 ガニメデ帝国

大陸南西部の一帯を支配する、ミッドガルド王国の宿敵。皇帝は代々ガニュメデス家から選出。帝都はガニメデ市。フォボス、ダイモスの沼地の拡大により食糧難と伝染病に苦悩する。

 ガニメデ毒蜘蛛

極めて致死性の高い毒を持つ大型の蜘蛛。乾燥地帯を中心に大陸南部に生息する。背中に髑髏模様を持つという。ガニメデの皇帝が刺されて死亡したことから名付けられた。

 ガニュメデス家

ガニメデ帝国を建国し、代々皇帝を世襲した。帝国最大版図時の皇帝であるカーミラ1世や天空闘技場を完成させたウラド3世が著名。*挿絵はジュノー市からガニメデに客将として滞在していた当時の絵師による「カーミラ1世の行軍」。

 

 ≪飛空艇≫カミオカンデ

魔法国家ルーの大型飛行船。考古学者フェイ・デリンジャーがボス市郊外の遺跡から発掘。ガニメデ帝国が盗難し、ミッドガルド王国が武力攻撃。マーズ湾海戦の引き金となった。終戦時に何者かに爆破される。

 ≪火炎剣≫カラドボルグ

アルスター王が所有した剣。ケイロンの108の魔法工芸品のひとつ。傷を負ったものは傷口が発火し、大火傷を負うと言う。

 ガリクソン式

怪盗エステルの七つ道具のひとつ。魔法国家ルーの移動機械で白い球状の乗り物。

 カレドニア王国

ミッドガルド王国以前に大陸東部を治めていた国家。王都はシヴァ。アウドムラ地方の貴族オーディンの蜂起により国土の大半を失い、M.C.001年前後に、大陸北方に撤退した。

 カレドニア語

ミッドガルド王国およびカレドニア王国の標準語。起源は名前の通りカレドニア王国。その昔はミレレラ語の東部方言だった。カレドニア王国の基盤をほぼそのまま引き継いだミッドガルド王国は、言語はもちろん、神話、宗教や度量衡なども基本的には踏襲し、民衆の混乱を最小限に抑えたという。

 

 

 カレンフェルト会戦

ミッドガルド王国とガニメデ帝国の国境に位置するカレンフェルト平野で行われた2度に渡る会戦。濃霧が発生し易い。後年、この会戦を主題に多くの詩や楽曲が創られた。

 騎士団

トリアス神と君主に剣を捧げた騎士が属する組織。当然ミッドガルド王国騎士団が最も規模と権威があった。その他、フィアナ騎士団やしろくま騎士団など義勇軍に属する小規模のものもあった。挿絵は誉高き王国騎士で、美しい白と紅の2色の甲冑とトリアス神を信仰する精神性の高さから、多くの場合、国民にも人気があった。

 

 

 巨人山脈

クリミア地方の南部に位置する大陸の屋根。標高平均2000マイト。5000マイト級の山々を擁する大陸東部最大の山岳地帯。深海生物の化石が出土するため、かつては海の底で火山活動で隆起したと考えられている。遺跡の碑文や壁画に「巨人」が描かれており、巨人の存在が噂されている。

 草薙幕府≪クサナギバクフ≫

M.C.800年代末に成立したコノハ国の幕府。M.C.1111年に滅びるまで約200年の歴史を持つ。初代将軍は草薙光秀。三代目将軍は女将軍だったという伝説があるが定かではない。

 くのいち

コノハ国の女性ニンジャのこと。体術もさることながら密偵や暗殺を司る。特に女性は己の肢体を使って機密情報を入手するため、肉感的な肢体を持ち、男を篭絡するための夜伽の技術も仕込まれていた。

 

 クミカル湖

大陸東部最大の湖。王都シヴァとセイファート運河をつなぐ、王国の水運の要。北は広大なマイラの森に隣接し、南に軍事都市アプサラスや漁業盛んなアクアベリーを擁する。

 クルセイド神殿

クリミア地方にある、「クルセイドの聖杯」を祀る神殿。千年以上の歴史を持つ。100年に一度の奇祭が有名。M.C.888年アルスター元王の襲撃により聖杯は略奪された。

 クリミアの義勇軍

 
戦争・不作・疫病の蔓延で重税に苦しむ民衆を救うため、および近隣の盗賊団からの防衛を目的とし、クリミア市出身の傭兵を中心によって組織された義勇軍。首領はシーザー・クルセイド(彼はアルスター元王に奪われた「クルセイドの聖杯」の奪回も目的であった)。旗印は十字の文様。後のヒトミ・デカールこと、草薙遥≪クサナギハルカ≫などの少女や”海賊殺し”のレダ、謎の槍術使い”二―ベルゲンの騎士”など次世代の英傑が所属していた。

 クロビュート鉱石

硬度が高く加工がしやすい黒い石。古代では矢じりや短刀に使用された。産出量が少ないことと魔力との相性が良いため魔法工芸品に利用される。盗難防止のため鉱床は国家機密であった。

 クロノス1世

死後に奇跡を2度起し、聖人認定されたクロノス家の初代当主。不思議な力を持つ「腕の骨」は、ガニメデ宰相ディオールが皇帝の許しを得て所有したという。なおクロノス家は謎に包まれており正式な資料はほとんど存在しない。

 クロノス4世

ガニメデ帝国の客将。宰相ディオールと親交があった。「ミッドガルド年代記」では著者のヒトミ・デカールがクロノスが所有する卵型の機械に乗船する記述がある。「デネブ肺病」に感染していたという。

 クロノスの迷宮

クロノス家が数世代をかけて構築したといわれる大迷宮。各地から集めた魔法工芸品が封印されているが、多数の罠も仕掛けられており、探索し命を落とす冒険者か絶えなかった。

 ≪聖槍≫グンニクル

ケイロンの108の魔法工芸品のひとつで、投てき後に軌道操作が可能な投げ槍。ミッドガルド王国史の”7槍聖”に名を連ねる、ジークフリードやランスロットなどが所有した。

 言語

大陸東部の三大言語は使用者が多い順に「カレドニア語」、「ミレレラ語」、「シーズ語」。この他にコノハの「ムラサメ語」など、「テティス」や「カッシーニ」などの小国家やマイラの森や巨人山脈などの部族にも各言語が存在したが、大陸東部全般的に、全く知らない言語でも類似の発音が多く、身振り手振りを交えればおおよその意味は通じたという。

 

 考古学

M.C.800年代は、神の手と呼ばれるフェイ・デリンジャーおよびその弟子のレイ・デカールに代表される考古学者によって、遺跡調査が多く発掘され、学問が飛躍的に進んだ時期であった。

 コリオリの森

枯れた大樹が延々と続くという大陸北西部に広がる森。寒冷気候の上、標高が高く、小動物が生息するものの、居住者は稀。

 コノハ

大陸中央に位置し山々に囲まれた弧ノ葉盆地を指し、サムライやニンジャと呼ばれる戦闘集団が政治を行う、独自の文化圏を持つ。M.C.800年末、村雨幕府が滅亡し、草薙幕府が成立。

 コノハノアラシ

草薙≪くさなぎ≫幕府中期に出版された小説の題名。初代将軍・光秀の村雨幕府の討幕を綴った戦記物。妹の「遥≪はるか≫」や、「くの一・たゆた」が大活躍し、庶民に人気があった。

 宰相カムロス

ミッドガルド王国史を代表する宰相のひとり。第36代アルスター王に仕え、マーズ湾海戦を勝利に導く。類まれな戦略家で、若くして夭逝しなければガニメデ帝国を滅ぼしていたとも言われる。

 ≪古代海洋国家≫シーズ

数千年前にヨルムンガルド地方を中心に栄えた大国。都は不明。標準語はシーズ語。魔法国家ルーと魔法対戦を起こし海に沈んだ。レイ・デカールによりM.C.800年代末に遺跡が発見された。

 シーズ語

ヨルムンガルド地域の海洋都市国家ミューやジュノーの標準語。元は古代海洋国家シーズの言語。曲線を多用するため筆記が早く、裁判所や議会の議事録などにも使われた。

 シルルの大樹

マイラの森の中心に茂る、樹齢2,000年を超す神木。マイラの森の住人たちは神と崇め、毎年、春に狩りの収穫を祈る。

 ≪王都≫ジヴァ

ミッドガルド王国王都および周囲の地方を指す。語源は古代カレドニアの女性戦士。平地では北部が小麦、南部は米を産し大陸有数の生産量を誇る。王城は大河に囲まれた岩山の上にそびえる。

 シヴァ強襲事件

魔法反乱軍のミラージュキャッスルとアメスベリーの海賊船で王都シヴァを強襲した事件。作戦考案者はナガツキ。建国以来初めて王都シヴァが戦地となった。この戦いでミッドガルド王国水軍は潰走、水軍提督は恥を忍んで自害した。クリミアの義勇軍の奮戦と”海賊殺し”のレダのアメスベリー討伐により、魔法反乱軍は撤退した。

 ジュノー市

大陸南東部のヨルムンガンド地域の海洋都市国家でミューの宿敵。個人主義的な国家運営を行い、海賊になった船乗りも多数存在する。少数の家系が権力を握り、政変が絶えなかったという。

 ジュラ神

半獣半身の神。ジュラ教での唯一神。主にミレレラの民が信仰する。聖地はバリオン半島の南の無人島にあり、ミレレラの民は生涯に一度はこの神殿に参拝に訪れるという。

 しろくま騎士団

解散したクリミアの十字軍の後継組織。魔王反乱軍の魔法実験により半獣半人となった騎士クマールが組織した騎士団。

 

 セイファート運河

 M.C.890年に開通した、クミカル湖とトリアス海を結ぶ、東部最長の運河。ミュー市やジュノー市との交易が加速するきっかけとなる。白亜海の海賊により運河が封印された時期もあった。

 千里眼の宝珠≪オーブ≫

ケイロンの108の魔法工芸品のひとつ。形状は動物の骨に囲まれた水晶玉で、特定の蟲の目を通して遠視ができる。アルスターが側近の魔術師エリスに下賜した。

 

 太陽風邪≪たいようかぜ≫

太陽の光を見ると体が痙攣し失神する病気。通常7日程度で回復する。元々大陸人には抗体があったのか主にヨルムンガルドからの旅人が感染した。”海賊殺し”レダはこれに感染、不覚を取り魔王反乱軍のモリガンの囚人となったという。

 ダヴンチ・コード

108の魔法工芸品のひとつ。ローブ状で、脳内で描いた形に変化する。ヒトミ・デカールがクロノスの迷宮で入手した財宝のひとつ。肖像画ではブーツに巻いて装備していたことが窺がえる。

 ディーヴァ監獄

大陸最東部にある巨大牢獄。元々は鉱山だったが、鉄の鉱床が枯れた後、牢獄に改造。歴史的な犯罪者を収監した。アルスター元王はここを襲撃し、マーズ海戦でのカミオカンデ爆破者クーフーリンの脱獄に手を貸した。*挿絵はミッドガルド王国への反逆罪で投獄されたカレドニア王家の王子クリシュナ。

 テティス国

女性だけで構成され、王族の七姉妹が治めるという大陸北東部に位置する小規模な国家。男児が産まれるとクミカル湖に流したという。第39代ミッドガルド王に美姫を多数献上した。*挿絵は旅人の情報を元に描かれたテティスの女戦士と神殿。

 デネブ肺病≪はいびょう≫

肺細胞が徐々に死んでゆく病気。悪化すると呼吸困難になる。近代になって特効薬が発明されるまでは不死の病であった。著名人ではクロノス4世が感染していたという。

 トリアス神

戦で直立不動のまま落命したという、戦を司る神。王国騎士団や海の民の信仰が多い。大陸最東部トリアス県に聖地があり、四年に一度、近隣都市のキャメロット市で武術大会が開催される。

 奴隷

主にガニメデ帝国での最下層階級の人民を指す。犯罪者の他に、捕虜になった他国の兵士や、誘拐された婦女子も多い。過酷な扱いを想像しがちだが、給与や休日もあり、家族も持てた。またごく稀に、「踊り子バドゥーラ」のように、抜擢され皇帝の側近になるものもいた。

 度量衡≪ドリョウコウ≫

大陸東部の度量衡の一部は以下の通り。

◆時間:

1アウル(時)>60マイト(分)>60ゼクス(秒)

◆尺度:

1カイロ(km)=1000マイン(m)

◆重量:

1ティオン(t)=1000キル(kg)

◆面積:

1アーリア(㎡)

◆温度:

1テンプル(℃)

 長月法典≪ナガツキホウテン≫

新カレドニア王国の宰相・ナガツキが編纂した法律。近代国家においても法律作成の基準とされた。

 二―ベルゲンの泉

不死の病にも効能があるとされる二―ベルゲン市にある泉。オルドヴィスが立ち寄ったとも、王国将軍のジークフリードと考古学者レイ・デカールが出会ったともいわれ、伝説には事欠かない。

 二―ベルゲンの騎士

二人組の仮面の騎士。ミッドガルド王国建国時の騎士を指す場合と、クリミアの義勇軍で活躍した騎士を指す場合がある。*挿絵は市庁舎の壁に残る、前者の彫刻。

 

 人間と魔物の合成術

氷の魔女と呼ばれた魔術師レイミアの実父の研究書。倫理的な見地から魔法院の判断で”A級発禁書”に認定されたが、魔法反乱軍が盗難。ヴァルハラ遺跡で人体実験を行った。

 波動剣≪ハドウケン≫

魔法工芸品に属する剣で、剣圧を真空状態の”気”として、飛ばすことができる。ただし極度の集中力を必要とし、実戦で使用できるのは一握りの剣の達人だけである。

 ハイオリア砂漠

大陸東部で最大の砂漠。過去の化石や地質から数千年前は緑豊かな平地であったという。古代の魔法大戦で砂漠化したという説がある。砂漠中央のヴァルハラ遺跡はルーの都であった。

 バリオン地方

ミッドガルド王国とガニメデ帝国の国境に位置する県で半島を持つ。南西部は荒野でミレレラの民が遊牧をして暮らす。戦乱の舞台となることが多い。特産品は羊で、毛織物や燻製肉が有名。

 分身の術

コノハに伝わる草薙式≪くさなぎしき≫体術の奥義。ミッドガルド王国将軍オグマは、若き頃コノハに使者として赴いた際、奥義継承者に認められ、特別に秘伝を伝授されたという。

 白亜海

大陸南部の楕円に広がる列島に囲まれた海。波が穏やかで王都シヴァとヨルムンガンド都市国家の主要貿易ルートであった。アメスベリーに代表される、海賊の商船強襲が絶えなかった。

 フィアナ騎士団

第二次カレンフェルト会戦後に、ガニメデ帝国の侵略に対してバリオン地方のフィアナ市で組織された自警団。団長はトリーネ・レイン。その後、白亜海の無人島を与えられ、数百年間存続した。

 法王院≪ほうおういん≫

ミッドガルド王国の宗教を管理する組織。上位組織はイゾルテ市の法王庁。余談だが、名も無き役人が日々の暮らしを綴った「法王院日誌」は当時の風俗が窺がえる一級歴史資料として有名である。

 ペネロペ市

大陸南の白亜海に面する風光明媚で知られる大陸有数の巨大都市。流行の発信地で、スイーツも有名。オルドヴィス神殿があり、オルドヴィスの祭が数年に一度開催される。観光事業も積極的。

 ペルム地方

大陸北東部の地名で面積の大半をマイラの森が占める。森の民に信仰されているのは大樹が女性化した姿のペルム神である。ペルムの高級木材はクミカル湖の水運を活かし大陸各地に運ばれる。

 ペルマイラ馬≪ば≫

大陸屈指の名馬。スタミナとスピード、美しい風貌を持つペルム大平原産の馬。ミッドガルド王国の貴族や騎士達はペルマイラ馬を所有することがたしなみのひとつだった。

 マーズ湾海戦

M.C.838年ミッドガルド王国とガニメデ帝国との間で、魔法国家ルーの飛空艇”カミオカンデ”の所有権を巡り勃発した海戦。飛空艇が爆発し、ダイモスとフォボス地域が大規模汚染された。

 魔王反乱軍

第36代ミッドガルド王アルスターの率いた私兵団のこと。ヴァルハラ遺跡を拠点に、犯罪者や異端魔術師など出身を問わず人材を採用し、王都シヴァに攻め上った。M.C.800年代末に鎮圧。挿絵は近衛兵士。アルスター王の全私財を投じたといわれ、例えば近衛兵の装備は王国騎士団並みであった。

 

 

 魔人化≪まじんか≫

カレドニア王室に伝わる戦闘秘術。体内に暗黒生物を寄生させ、意志の力で操り、一時的に人体の限界まで筋力や反応速度を上昇させるという。一歩間違えれば暗黒生物に浸食されるため術者は常に自害用の短刀を肌身離さなかったという。

 魔法院

ケイロンやマリーンなどの大魔術師を要したミッドガルド王国の魔術を司る組織。主要魔法工芸品および養成機関の魔法学院を管理下に置く。悪名高い異端魔術師メフィストも卒業生。

 魔法原石

魔法工芸品製造に必要な原料で魔力を増大するといわれる。かつては大陸各地で発見されたが、M.C.1700年代には絶対数が少なくなり、国家当局は巨額の報奨金を支払ってまで商人や冒険者から購入していた。

 魔法工芸品

魔力を持った芸術品のこと。魔法国家ルーの技術を元に、大魔術師ケイロンが小型化に成功した。魔法工芸品を媒介しないと魔法の発動できないため、強力なものは国家管理下に置かれる。

 魔法の壁

魔法工芸品の登場で魔法を封じる手段も研究が進んだ。特に戦の際、弓兵の後に魔法使いが隊列を組んだが、絶対数の少ない防御魔法使いは貴重であった。

 

 蜂蜜病≪はちみつびょう≫

テティスの風土病。女性が感染する病気。乳房が肥大し乳首から膿が出る。膿は蜂蜜のように甘く、特に処女の蜂蜜は美味であるとされ、高額で買い取る商人もいた。王国魔術師エルメスも感染したことがあるという。

 パンドラの匣《はこ》

怪盗エステルが盗んだ魔法工芸品や美術品を保管したという巨大金庫。場所は現在も不明。「クロノスの迷宮」に負けず劣らず、芸術的な罠が張り巡らされていたという。

 ≪超巨大魚≫バル・バル

ヨルムンガンド地方に生息すると言われる超巨大魚。醜悪な顔から、悪魔の魚と呼ばれた。数百年に数回、漁師の目撃情報があるが、同一個体かは不明。

 惑いのショール

108の魔法工芸品のひとつ。外見は普通のストール。呼吸を止めれば”透明”になれるが、装備や洋服には反映されず全裸にならねばならない。ヒトミ・デカールがクロノスの迷宮で入手した財宝の一つ。以降、常時首に巻いていたという。

 マリーン・ノート

大魔術師マリーンが生涯をかけて研究した魔法の技術や理論を体系的にまとめた書物。元々はマリーンの個人のノートだったので”マリーン・ノート”と呼ばれる。マリーン以降の魔法学院の教科書に”マリーン魔法体系”という名で使用された。

 ミッドガルド王国

大陸東部を支配する超大国。王都はシヴァ。標準語はカレドニア語。数百年にわたる栄華を誇ったが、M.C.800年代末、ガニメデ帝国との戦争や異常気象による天災や疫病の蔓延で、存亡の危機にあった。

 ミラージュ・キャッスル

魔王反乱軍が使用した船。神出鬼没でハイオリア砂漠の各地に突如として現れ、ミッドガルド王国軍を襲撃した。ヴァルハラ遺跡で発掘された魔法国家ルーの遺物であるとされる。

 ミレレラ語

ガニメデ帝国およびミレレラ部族の標準語。起源は魔法国家ルーの言語。ミッドガルド王国でも魔法学や歴史学では頻出するので学者の必修科目である。

 ミレレラの民

ハイオリア地方の魔法国家ルーの血を引くという砂漠の民。黒装束で、傭兵や遊牧または貿易などで生計を立てる。ジュラ教徒が多い。ガニメデ帝国兵士の大部分も占める。なお、女性は美女な上、グラマラスな体系が多く、黒装束の下に派手な下着を身に着けたという。

 ミュー市

大陸南東部のヨルムンガンド地域の海洋都市国家。近代企業のような国家運営を行い、特定の人物に富の集中が起きないよう常時配慮した。大航海時代を中心に1500年以上栄えた。

 モドレッド銀貨

39代ミッドガルド王国モドレッド王時代に鋳造された銀貨。銀含有率が低いという噂が出回り、経済に混乱を与えた。後年、これがガニメデ帝国の宰相ディオールの策略だったことが明らかになった。

 ペットルーム

魔法反乱軍の将軍モリガンが所有するヴァルハラ遺跡内の施設。同性愛者であるモリガンが集めた世界中の美女達が放蕩の限りを尽くしていた。著名人としては歴史学者ヒトミ・デカール、オルドヴィスの巫女ディアナ、海賊殺しのレダ、コノハ国のくのいちタユタなども一時的に軟禁された。怪盗エステルは遺跡調査のため執事として正体を隠して侵入していたという。

 ≪古代羊≫ラ・サール

 巨人山脈で目撃されたという独特の形状の角を持つ巨大な雄羊。目撃者の猟師は高音の耳鳴りを感じた直後、気を失ったという。乱獲で姿を消す前は「古代羊の角」は高額で取引されていたという。

 ラスノーラ地方

王国西部に位置し、山岳部が面積の大半を占め、コノハ国に隣接する。クルセイドの神殿やクリミアワインが有名で、最高級クリミアワインは王族や貴族に献上されていた。

 ラッセンの地図

ミッドガルド王国の貴族ラッセン家当主達の数世代に渡る大陸徒歩測量によって完成した極めて精度の高い地図のこと。将軍ミネルヴァは天空からの眺めと 寸分違わない海岸線の精度に思わず驚嘆の声を上げたという。

 流砂海≪りゅうさかい≫

ハイオリア砂漠の東側にある地帯。砂の粒子が極めて小さく、海上と同様に移動には船が必要となる。ミレレラの民は”底なし砂漠”と言い、近寄るのを恐れる。

 ≪魔法国家≫ルー

数千年前にハイオリア地方を中心に栄えた大国。王都はヴァルハラ。標準語はミレレラ語。飛空艇や巨大人形など、魔力を活用した国家経営をしていた。数千年前に突如記録から姿を消す。

 ルーク族

巨人山脈に住む狩りを生業としている一族。金髪碧眼で容姿端麗。クリミアの義勇軍に参加したマムルーク兄弟が著名。

 ルーの円盤

レイ・デカールが巨人山脈の遺跡で発見した円盤。遺跡の封印の解き方が暗号で記載されており、ヴァルハラ遺跡の大発見につながった。

 レイ・デカール

考古学者。本名、草薙澪。フェイ・デリンジャーに師事。男装しハイオリア砂漠の女性禁制の地へ入り、ルーの円盤を使ってヴァルハラ遺跡を発見した。その後ヨルムンガルド地方で古代海洋国家シーズの遺跡を発掘。ミューの名誉貴族となった。実妹の遥への短い手紙が多数残っている。

 ≪剣豪≫レゴリス

二刀流の使い手でミッドガルド王国騎士団剣術指南役。ヴァン・アレンなどに剣技を伝授した。巨人山脈に隠棲した後は、クリミアの義勇軍を鍛えた伝えられる。コノハの剣豪・山内隆之進とも親交があった。